東北大学サイバーサイエンスセンターでは、研究者のより良いスーパーコンピューティング環境の構築及びその研究活動の推進、また、学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点(JHPCN)活動の一環として、スーパーコンピューティングに関する令和6年度共同研究を下記の要領で募集します。
募集要項
1.共同研究の対象
本共同研究では、下記のとおり、[A]若手・女性研究者支援課題、[B]萌芽型課題、[C]一般課題を対象とします。利用者は、スーパーコンピュータAOBAで処理するプログラムのベクトル化や並列化に関する研究を本センターと共同で行います。
ただし、同一研究課題(内容)による申請は3年を限度とします。また、同一研究課題(内容)で他の拠点に応募している場合には、当該拠点の資源を使用する理由など研究計画の違いを説明してください。
[A] 若手・女性研究者支援課題
・申請者(課題代表者)が、若手研究者(令和6年4月1日時点で40歳未満、性別は問わない)
あるいは、女性研究者(年齢は問わない)であり、高速・大規模な計算を必要とする課題
[B] 萌芽型課題
・現在所有しているプログラムの高速化・大規模化を新規に計画している課題
・将来、HPCIシステム利用課題やJHPCN利用課題につながることが期待される萌芽的な課題
[C] 一般課題
・大量の大規模計算を必要とする課題
・スーパーコンピュータAOBAによる計算を必要とする課題
2.応募者の資格
本センター大規模科学計算システムの利用有資格者
3.応募期間
年2回募集を行います。今回は第1回の募集です。
◎第1回(今回募集)
応募期間 :令和6年2月15日(木)~令和6年3月15日(金)
利用可能な資源:AOBA-S、AOBA-A、AOBA-B
研究期間 :令和6年4月から令和7年3月末日までの1年間
◎第2回
応募期間 :令和6年8月頃予定
利用可能な資源:AOBA-S、AOBA-A、AOBA-B
研究期間 :令和6年10月から令和7年3月末日までの半年間
4.共同研究の要件
(1)研究期間は3.応募期間に記載のとおりとします。
(2)プログラムのベクトル化や並列化の研究を、本センターのスタッフと共同で行います。
(3)共同研究を行うためにプログラムコード等を本センターに提供していただきます。
(4)共同研究の研究成果、あるいは研究成果であるプログラムにより得られた結果を論文等で公表する際、共同研究をふまえて本センターの貢献を明記してください(例えば、共著者、謝辞等)。
(5)年度末に共同研究実績報告書(所定の様式)を提出していただきます。この報告書にも、演算性能の向上の程度、計算規模の拡大、利用支援等、具体的な本センターの貢献を必ず明記してください。
(6)共同研究終了から1年以内に本センター大規模科学計算システム広報誌SENACに共同研究の成果を投稿していただきます。この記事には、プログラムのベクトル化や並列化などの具体的な内容と効果、及び、本センターとの共同した取組みを記述していただく必要があります。
(7)研究成果を学会等へ報告した場合は、その別刷等を本センターに提出してください。
(8)課題[A]および[B]の採択課題の中からJHPCN萌芽型共同研究課題が採択されます。JHPCN萌芽型共同研究課題の採択者には、JHPCN主催のシンポジウムでの発表等を依頼する場合があります。
(9)原則、翌年度以降のHPCIシステム利用課題またはJHPCN利用課題に応募してください。
(10)計算機システムは共有利用のため、利用状況によってはリクエストの実行待ちが発生します。待ち時間等も考慮し、計画的にご利用ください。
(11)共同研究実績報告書及び広報誌SENACヘの投稿が未提出の課題が判明した場合、当該申請者に係る次回以降の申請課題を審査対象外とする場合があります。
5.助成内容等
(1) 課題[A]および[B]は、演算負担経費(全額)の2/3を本センターが負担します。
(2) 課題[C]は、20万円を超えた分の演算負担経費の2/3を本センターが負担します。
(3) 本センターの負担金額の上限は、課題[A][B][C]ともに500万円とします。
(4) 助成対象は共有利用による演算負担経費とし、占有利用は助成対象外とします。
6.審査方法等
申請された課題は、共同研究専門部会において本制度の趣旨に適合しているか否かを審査します。第1回募集では、課題[A][B][C]あわせて10件程度を選考し、4月上旬に結果の公表を行う予定です。なお、課題[B]に申請しても課題[C]で採択される場合があります。その場合は課題[C]の助成内容が適用されます。
また、課題[A]および[B]については、共同研究専門部会及びJHPCN審査委員会で審査の上、JHPCN萌芽型共同研究課題に採択します。
7.応募方法
応募される方は、共同研究申請書に必要事項を記入して電子メールでお申し込みください。最新版の申請書「令和6年度共同研究申請書」をご利用くださいますようお願いいたします。
(共同研究申請書)
本センターのウェブサイト( https://www.ss.cc.tohoku.ac.jp/ )
→ 利用案内
→ 各種申請用紙
→ 共同研究申請書「令和6年度共同研究申請書」
(送り先)E-mail: joint_research@cc.tohoku.ac.jp
8.問い合わせ先
共同利用支援係
TEL : (022)795-6251
E-mail: joint_research@cc.tohoku.ac.jp
令和6年度課題採択結果(第1回)
令和6年度共同研究専門部会で審査の結果、以下の14件が採択されました。
【A】若手・女性研究者支援課題
No. | 申請者 | 所属 | 研究課題 |
A-1 | 大野 詩歩 | 東北医科薬科大学 分子生体膜研究所 | 新規未分化iPS細胞抗体デザインを行うための 分子動力学計算のパラメータ最適化 |
A-2 | 笹本 大空 | 東北大学 大学院薬学研究科 | 密度汎関数理論に基づいた有機超塩基が示す 特異な反応性の理論的考察 |
A-3 | 小川 秦一郎 | 大阪公立大学 大学院工学研究科 | 直交格子積み上げ法を用いた航空宇宙用エンジン内部流れ場の 大規模数値解析手法の開発 |
A-4 | 屋山 巴 | 工学院大学 先進工学部 | 窒化物半導体におけるキャリアーのドーパント準位への 無輻射緩和過程の解明 |
A-5 | 松川 嘉也 | 東北大学 大学院工学研究科 | 液滴の帯電挙動に関する直接数値シミュレーション |
【B】萌芽型課題
No. | 申請者 | 所属 | 研究課題 |
B-1 | 松岡 浩 | 技術士事務所 AIコンピューティングラボ | リカレント型ビット演算による流体・構造体 統一解析手法の開発 |
B-2 | 川本 裕樹 佐々木 大輔 | 東海大学工学部 大阪公立大学 大学院工学研究科 | 直交格子法による移動境界問題の大規模数値 シミュレーションの高度化と工学への応用 |
B-3 | 今井 正幸 | 東北大学理学研究科 | 3次元フェーズフィールド法とデータ同化による がんオルガノイドの細胞力学モデル |
B-4 | 有馬 卓司 | 東京農工大学 大学院工学研究院 | 互いが移動する車と車(Vehicle to Vehicle:V2V)での 電波伝搬状況の解明 |
B-5 | 北嶋 直弥 | 東北大学 学際科学フロンティア研究所 | 宇宙初期における位相欠陥の形成と進化の数値解析 |
【C】一般課題
No. | 申請者 | 所属 | 研究課題 |
C-1 | 山崎 剛 | 東北大学 大学院理学研究科 | 日本領域長期再解析(RRJ-Conv.)の長期データ整備と 関連する研究開発 |
C-2 | 小林 敬生 | 東北大学 大学院理学研究科 | VHF(60MHz)レーダによる小惑星内部構造探査における 電波伝搬・電波散乱シミュレーション |
C-3 | 立川 智章 | 東京理科大学 工学部 | 複雑流れ現象の理解とその効果的制御法に関する研究ー3 |
C-4 | 塚原 隆裕 | 東京理科大学 創域理工学部 | 表面粗さ・主流乱れが影響した後退平板境界層における 乱流遷移の直接数値解析 |
(スーパーコンピューティング研究部,共同利用支援係.共同研究支援係)