アプリケーションサービス

 本センターの大規模科学計算システムではアプリケーションサービスとして以下のアプリケーションをサービスしています。

 オープンソースソフトウェア(OSS)の使い方については,それぞれのソフトのマニュアルや開発元情報などを参照してください。

サブシステムAOBA-S

Quantum Espresso

https://www.quantum-espresso.org

6.6

ジョブスクリプトファイルを記述して,qsubコマンドでリクエストを投入して下さい。

#!/bin/sh
#PBS -l elapstim_req=24:00:00
#PBS -q sxs --venode=1
cd $PBS_O_WORKDIR

mpirun -np 8 /mnt/lustre/ap/QE/6.6/bin/pw.x -i scf.in

FPSEID21

 FPSEID21は産総研よりオープンソースコード(MIT型ライセンス)として公開された第一原理計算コードの一種で、近似的に電子励起が誘起する物質構造変化を計算する機能を有しています。時間依存密度汎関数理論に基づき、周期構造を持つ物質のレーザー照射後のダイナミクスを計算するコードです。

 利用方法や最新情報に関しては以下のウェブサイトをご確認ください。

https://staff.aist.go.jp/yoshi-miyamoto

2021 version

 上記のウェブサイトからは計算に用いる元素の擬ポテンシャルもいくつかダウンロードできます(/mnt/lustre/ap/FPSEID21/TR にも保存済)。ウェブサイトに掲載のない元素に関しては、ウェブサイトの連絡先へ問い合わせをお願いします。

実行モジュール

実行モジュール名機能
cg_exe通常の平面波バンド計算を実行し、電子の基底状態を計算します。
sd_execg_exeの結果を利用して時間依存密度汎関数理論による計算の準備ファイルを作成します。
tddft_exesd_exeで作った準備ファイルを初期条件として時間依存密度汎関数理論によるレーザー照射ダイナミクスを計算します。

実行スクリプトの例は上記ウェブサイト掲載のものをAOBA-S向けに修正しています。以下でcg_exe、sd_exe、tddft_exeそれぞれの実行例を紹介します。

#!/bin/sh
#PBS -l elapstim_req=24:00:00
#PBS -q sxs --venode=8

DIR=/mnt/lustre/ap/FPSEID21

# FPSIED21の環境変数設定
...
export VE_FORT41=$DIR/TR/TR.Si93g_asci # Si Pseudopotentials (g)
# VEを利用する場合、外部ファイルを指定する環境変数は VE_FORT を使用します。
...

# cg_exe の実行
cd $PBS_O_WORKDIR
${DIR}/lm/cg_exe < Si111-H.in > Si111-H.out

# sd_exe の実行
cd $PBS_O_WORKDIR
${DIR}/lm/sd_exe < Si111-H_sd.in > Si111-H_sd.out 

# tddft_exe の実行
cd $PBS_O_WORKDIR
mpirun -np 8 ${DIR}/lm/tddft_exe < Si111-H_tm.in_1000steps > Si111-H_tm.out_1000steps 

Singularity

 Singularity は HPC (High Performance Computing) 環境向けに設計されたオープンソースのコンテナ型プラットフォームです。

 様々なアプリケーションのイメージファイルがインターネット上で公開されており、インストールが複雑なアプリケーションでも容易に実行環境を構築することができます。 

サブシステムAOBA-A

Quantum Espresso

https://www.quantum-espresso.org

6.6

pw.xのみの提供です。

ジョブスクリプトファイルを記述して,qsubコマンドでリクエストを投入して下さい。

スクリプトファイルのオプションについては以下のページをご参照ください。

・ジョブスクリプトファイル例

#!/bin/sh
#PBS -l elapstim_req=24:00:00
#PBS -q sx --venode=1
cd $PBS_O_WORKDIR

mpirun -venode -np 8 /mnt/stfs/ap/QE/SX/6.6/bin/pw.x -i scf.in

サブシステムAOBA-B

Gaussian16

https://gaussian.com

フロントエンドサーバ(front1/front2)にログイン後,subg16 コマンドにキュー名:lx と利用ノード数:1(固定),入力プログラム名(例ではe2-01.com),およびジョブの最大経過時間(例では1時間まで)を指定することにより,バッチリクエストとして実行が行われます。全てのオプションの入力が必要です。

システムの最大並列数は128,最大メモリは256GBです。

front$ subg16 -q lx -b 1 e2-01 -l elapstim_req=01:00:00

GRRM17

学術目的での利用(非商用利用)のみ可能

GRRMは,NPO法人 量子化学探索研究所 (https://iqce.jp/)で開発される反応経路自動探索プログラムです。利用の方法,最新情報については https://iqce.jp/GRRM/ をご参照ください。

サイバーサイエンスセンターの計算機での実行方法については以下の資料をご参照ください。

OpenFOAM

v2306

  • 使用コンパイラ:Intel oneAPI

OpenCFD https://www.openfoam.com

ジョブスクリプトファイルを記述して,qsubコマンドでリクエストを投入して下さい。

スクリプトファイルのオプションについては以下のページをご参照ください。

・ジョブスクリプトファイル例

#!/bin/sh
#PBS -T intmpi
#PBS -l elapstim_req=24:00:00
#PBS -q lx -b 1
source /usr/ap/etc/OpenFOAM/v2306/config.sh
cd $PBS_O_WORKDIR

・・・OpenFOAM実行文・・・

9

  • 使用コンパイラ:Intel oneAPI

The OpenFOAM Foundation https://openfoam.org

ジョブスクリプトファイルを記述して,qsubコマンドでリクエストを投入して下さい。

・ジョブスクリプトファイル例

#!/bin/sh
#PBS -T intmpi
#PBS -l elapstim_req=24:00:00
#PBS -q lx -b 1
source /usr/ap/etc/OpenFOAM/9/config.sh
cd $PBS_O_WORKDIR

・・・OpenFOAM実行文・・・

Quantum Espresso

https://www.quantum-espresso.org

7.2

  • 使用コンパイラ:Intel oneAPI

ジョブスクリプトファイルを記述して,qsubコマンドでリクエストを投入して下さい。

スクリプトファイルのオプションについては以下のページをご参照ください。

・ジョブスクリプトファイル例

#!/bin/sh
#PBS -T intmpi
#PBS -l elapstim_req=24:00:00
#PBS -q lx -b 1
source /usr/ap/etc/QE/LX/7.2/config.sh
cd $PBS_O_WORKDIR

・・・Quantum Espresso実行文・・・

GROMACS

https://www.gromacs.org

2021.2

  • 使用コンパイラ:Intel oneAPI

ジョブスクリプトファイルを記述して,qsubコマンドでリクエストを投入して下さい。

スクリプトファイルのオプションについては以下のページをご参照ください。

・ジョブスクリプトファイル例

#!/bin/sh
#PBS -T intmpi
#PBS -l elapstim_req=24:00:00
#PBS -q lx -b 1
source /usr/ap/etc/GROMACS/2021.2/config.sh
cd $PBS_O_WORKDIR

・・・GROMACS実行文・・・

LAMMPS

https://www.lammps.org

2Aug2023

  • 使用コンパイラ:Intel oneAPI

ジョブスクリプトファイルを記述して,qsubコマンドでリクエストを投入して下さい。

スクリプトファイルのオプションについては以下のページをご参照ください。

・ジョブスクリプトファイル例

#!/bin/sh
#PBS -T intmpi
#PBS -l elapstim_req=24:00:00
#PBS -q lx -b 1
source /usr/ap/etc/LAMMPS/2Aug2023/config.sh
cd $PBS_O_WORKDIR

mpirun -np 8 lmp_intelmpi (LAMMPS実行文)

MATLAB(バッチジョブ実行)

学術目的での利用(非商用利用)のみ可能

全てのToolboxが利用可能

1ノード内実行

ジョブスクリプトファイルを記述して,qsubコマンドでリクエストを投入して下さい。

最大並列数は128,最大メモリは256GBです。

スクリプトファイルのオプションについては以下のページをご参照ください。

#!/bin/sh
#PBS -l elapstim_req=24:00:00
#PBS -q lx -b 1
cd $PBS_O_WORKDIR

matlab –batch test #functionとして作成したtestを実行

Parallel Serverによる複数ノード実行

Singularity

https://apptainer.org

 Singularity は HPC (High Performance Computing) 環境向けに設計されたオープンソースのコンテナ型プラットフォームです。

 様々なアプリケーションのイメージファイルがインターネット上で公開されており、インストールが複雑なアプリケーションでも容易に実行環境を構築することができます。 

 Singularityの利用方法については、以下のマニュアルをご参照下さい。

フロントエンドサーバ

Mathematica

東北大学所属の教職員・学生のみ利用可能

GUI版起動コマンド(ローカルPCにX環境の設定とX接続が必要です)

front$ mathematica

CUI版起動コマンド

front$ math

MATLAB(対話型実行)

学術目的での利用(非商用利用)のみ可能

全てのToolboxが利用可能

GUI版起動コマンド(ローカルPCにX環境の設定とX接続が必要です)

front$ matlab

CUI版起動コマンド

front$ matlab –nojvm –nosplash –nodesktop -nodisplay

Jupyter Notebook

 Jupyter Notebook(ジュピター・ノートブック)は、ブラウザ上で動作するプログラムの対話型実行 環境です。 

 ノートブックと呼ばれるファイルに python などのプログラムを記述し、実行結果を逐次確認しなが ら、データ分析を進めることができます。Jupyter Notebook 上では、様々なライブラリを使うことがで き、TensorFlow(テンソルフロー)などの機械学習やディープラーニング用のライブラリも動作させる ことができます。

Jupyter Notebookの利用方法については、以下のマニュアルをご参照下さい。

Gaussian,GaussViewサイトライセンス

 東北大学ではGaussianおよびGaussViewのサイトライセンスを取得しており、東北大学内のコンピュータにインストールすることができます。東北大学所属の教職員または学生の利用が可能です。
 インストールに必要な情報をお知らせしますので、利用を希望される方はサイトライセンス利用申請書作成フォームをご利用ください。
 なお、申請には東北大メール(Gmail)アドレスでのログインが必要です。

サイトライセンス利用申請書フォーム (東北大学メールでログインして下さい)

動作環境については以下のページをご覧下さい。
 https://gaussian.com/

RISTが整備しているアプリケーションソフトウェア

アプリケーションソフトウェアの詳細についてはこちらをご参照下さい。

サブシステムAOBA-A

材料バイオ分野

  • ABINIT-MPABINIT-MPは、フラグメント分子軌道(FMO)計算を高速に行えるソフトウェアです。専用GUIのBioStation Viewerとの連携により、入力データの作成~計算結果の解析が容易に行えます。4体フラグメント展開(FMO4)による2次摂動計算も可能です。
  • PHASE/0 PHASE/0は、密度汎関数理論に基づく擬ポテンシャル法による平面波基底の第一原理電子状態計算プログラムです。全エネルギー、電荷密度分布、電子の状態密度、バンド構造、安定な原子構造などの計算ができます。
  •  オープンソースの数値厳密対角化法による有効模型ソルバーパッケージです。広汎な多体量子系の有効模型(多軌道ハバード模型、ハイゼンベルグ模型、近藤格子模型など)の基底状態及び低励起状態や励起スペクトル、有限温度における熱力学量を並列計算により求めることができます。

CAE分野

  • FrontFlow/blue FrontFlow/blueは、非圧縮流体の非定常流動を高精度に予測可能なLarge Eddy Simulation(LES)に基づいた汎用流体解析コードです。形状適合性に優れた有限要素法による離散化を採用し、ファン/ポンプ等の流体機械や複雑形状周りの非定常乱流解析および流れから発生する騒音の予測が可能です。
  • FrontISTR FrontISTR(フロントアイスター)は、WindowsやLinuxのPCクラスタをはじめ、京などの超並列スパコンにも対応可能なオープンソースの構造解析ソルバーです。

サブシステムAOBA-B

材料バイオ分野

  • ABINIT-MP ABINIT-MPは、フラグメント分子軌道(FMO)計算を高速に行えるソフトウェアです。専用GUIのBioStation Viewerとの連携により、入力データの作成~計算結果の解析が容易に行えます。4体フラグメント展開(FMO4)による2次摂動計算も可能です。
  • PHASE/0 PHASE/0は、密度汎関数理論に基づく擬ポテンシャル法による平面波基底の第一原理電子状態計算プログラムです。全エネルギー、電荷密度分布、電子の状態密度、バンド構造、安定な原子構造などの計算ができます。
  • GENESIS GENESISは、超並列分子動力学計算ソフトウェアです。独自の計算アルゴリズムを用いて、並列計算を高効率化し、細胞環境を想定した1億個の原子で構成される系に対して、高速なシミュレーションが可能です。生体分子の運動を1分子レベルから細胞レベルまでの幅広い空間スケールで解析できます。
  • MODYLAS オープンソース(ライセンス許可制)の汎用古典分子動力学アプリケーションソフトウェアです。長距離静電相互作用の高速多重極展開法(FMM)による取り扱いを含め、ナノ分野・バイオ分野における分子動力学計算に必要な各種手法に対応しています。高効率な並列計算が可能です。
  • NTChem Gauss型基底に基づいた量子化学計算アプリケーションソフトウェアです。多くのユーザーに使っていただけるよう、様々な量子化学計算手法や機能が利用できます。大規模な分子に対して高効率な並列計算が可能です。
  • SALMON オープンソースの光と物質の相互作用をターゲットにした第一原理計算アプリケーションソフトウェアです。時間依存密度汎関数理論に基づく実時間・実空間グリッド法を用いた光励起電子ダイナミクスや光伝搬のシミュレーションが可能です。
  •  オープンソースの数値厳密対角化法による有効模型ソルバーパッケージです。広汎な多体量子系の有効模型(多軌道ハバード模型、ハイゼンベルグ模型、近藤格子模型など)の基底状態及び低励起状態や励起スペクトル、有限温度における熱力学量を並列計算により求めることができます。
  • OpenMX オープンソースの第一原理計算アプリケーションソフトウェアです。原子局在基底と擬ポテンシャルを用いて、結晶・界面・溶液などの広範な物理系に対して電子状態計算を行います。
  • SMASH オープンソースの量子化学計算アプリケーションソフトウェアです。高速かつ高効率な並列計算手法により、ナノサイズ分子を分割せずにHartree-Fock法、DFT法、MP2法でエネルギーや構造最適化計算を実行することが可能です。
  • mVMC 広汎な多体量子系の有効模型(多軌道ハバード模型、ハイゼンベルグ模型、近藤格子模型など)の基底状態の高精度な波動関数を変分モンテカルロ法によって数値的に求める有効模型ソルバーパッケージ。グッツヴィラー・ジャストロー、ダブロン-ホロン束縛因子の相関因子を取り扱うことが可能であり、一万以上の変分パラメータを最適化することが可能です。また、量子数射影によって量子数を指定することで低エネルギー励起状態も求めることが可能です。
  • AkaiKKR グリーン関数法(KKR法)を用いた第一原理計算プログラムパッケージです。広範な物理系に対して密度汎関数法に基づく電子状態計算・バンド計算を行います。結晶などの周期系だけでなく、コヒーレントポテンシャル近似(CPA)を用いて不純物系や不規則置換合金、混晶といった不規則系の電子状態・磁性の計算を行うことが可能です。
  • ALAMODE 格子振動の非調和性を露わに考慮した原子間ポテンシャルを構築するプログラムパッケージです。VASPやQuantum ESPRESSOなどの第一原理計算プログラムやLAMMPSの計算結果から調和・非調和force constantを推定し、それらをもとにフォノン分散、フォノン状態密度、グリューナイゼン定数、フォノン‐フォノン散乱強度、格子熱伝導率、有限温度における非調和フォノン、フォノン由来の自由エネルギーなどを計算することが可能です。
  • Phonopy 第一原理計算ソフトウェアの計算結果から固体のフォノンに関連する物理量を計算するソフトウェアです。VASPやWien2kといった第一原理計算ソフトウェアの計算結果を入力とし、フォノン分散、状態密度、比熱、グリュナイゼン定数などを計算することが可能です。

CAE分野

  • FrontFlow/blue FrontFlow/blueは、非圧縮流体の非定常流動を高精度に予測可能なLarge Eddy Simulation(LES)に基づいた汎用流体解析コードです。形状適合性に優れた有限要素法による離散化を採用し、ファン/ポンプ等の流体機械や複雑形状周りの非定常乱流解析および流れから発生する騒音の予測が可能です。
  • FrontISTR FrontISTR(フロントアイスター)は、WindowsやLinuxのPCクラスタをはじめ、京などの超並列スパコンにも対応可能なオープンソースの構造解析ソルバーです。
  • FFX FFX(FrontFlow/X)は、「富岳」成果創出加速プログラムで開発された格子ボルツマン法による流体解析ソフトウェアです。
  • FFVHC-ACE 「富岳」成果創出加速プログラムで開発されたFFVHC-ACEは,自動格子生成を可能とする階層型等間隔直交格子法,高レイノルズ数条件でのLES解析を可能とする壁面モデルLES,高忠実な圧縮性流体解析を可能とする安定かつ非散逸な計算スキーム(KEEP スキーム)の3つのキー技術が実装された完全自動,安定・高忠実な圧縮性流体解析基盤ソルバーです。